誰が出ても同じことができるのが強いチームだとは限らない(フロンターレvs鹿島アントラーズ)

2-0でフロンターレの勝利!BSで観戦しました。

 

この試合、結果は2-0だけど内容は2-2でしたね。鹿島は大決定機を外したので。でも、本当にしびれるような、あっという間の90分でした。リーグ終盤にふさわしい試合だったと思うし、お互いの一年間の成長を示したと思います。

 

鹿島はなんといってもフロンターレにミスをさせる守備が素晴らしかったです。パスの受け手の前でインターセプトしたり、コースを塞いだり。距離感も抜群でゆるいパスやコースが甘いパスは何度かインターセプトされてヒヤッとしました。そのせいでフロンターレはミスできない、と萎縮して小さいプレーになってしまう。そんな循環ハマりかけました。

 

ところがそれをしない、させない選手がフロンターレにいましたね!田中碧選手です。試合ごとにたくましくなる碧選手は、今日も存在感を発揮しました。なんていうか、びびってプレーしないですよね。狭くても突っ込んでいくし、そこで奪われないスキルもある。もちろん相手もプロだから、奪われることもあります。でもそれで萎縮しない。そして守備もガツガツ行けます。当たっていけるし、ガツっと奪えるし。まだU22だというのに、頼もしい限りです。

 

今日の試合を見て思ったのは、フロンターレは出る選手によって様々なサッカーをしようとしてたのではないか、ということです。一昨年までフロンターレは、誰が出ても同じことができるチームだったし、それを目指していたと思います。ショートパスをつないで、動きを止めず、相手を動かし崩す。それを全員ができるようにやってきたと思います。その中でも最も上手くできる選手達の組み合わせがガッチリ出来上がった。

 

だけど昨年くらいから、特に今年はそうではなく、選手達の組み合わせでガラッと違うサッカーをする。そして勝つ。そういうのを目指してきたのかな、と思いました。今シーズンスタメンが固定されなかったのは、ケガ人とか最適な組み合わせが見つからなかったのもあるけど、組み合わせることで違う味付けのサッカーをしたかったのではないか。そう思いました。

 

確かに本気で4冠狙うなら、同じサッカーを志向しているだけでは厳しいかもしれません。国内でも、負けても次があるリーグ戦とアマチュア含めたトーナメント一発勝負の天皇杯、そしてホーム&アウェイのあるルヴァン杯では違うだろうし、ACLなんてそもそも相手がデカかったりいろいろある。残念だけどこれまでフロンターレのサッカーはACLで通用したとは言えないと思います。だから、本気で4冠を狙うから、様々なバリエーションを持とうとしたのかなと思うのです。長い目でフロンターレを強くするにはこれだ!と考えたのではないかと思うのです。

 

この挑戦は今シーズンに関しては失敗でした。なぜなら4冠取れなかったから。目標を達成できなかったからです。ただ、このにきて成果を出し始めているのも事実だと思います。ルヴァン杯優勝というタイトルは獲得できたし、何よりこの三連戦を連勝することができているから。ただ、やっぱり時間がかかりすぎました。リーグ戦タイトルが現実的に厳しい状況になってしまいました。

 

もちろん可能性はあるので、選手達が諦めない以上、私も応援し続けます。そして私の想像が合ってるかわからないけど、きっともっと強くなろうとしているフロンターレにわくわくし続けたいと思います。