強みのないフロンターレは各駅停車のまま(フロンターレvs清水エスパルス)

アウェイ仙台戦と同じではないけど、近い感覚を持ってしまったホームでの清水エスパルス戦。結果はまたもやドロー。しかも2得点して勝てない、という状況です。敢えて一晩たってから、少し落ち着いて昨日の感想を書きたいと思います。

 

まずはポジティブな点を。ダミアン選手の先制ゴールは素晴らしかったと思います。ダミアン選手が出場した時というのは、どうしてもダミアン選手の強さに期待したパワープレーが多くなっていました。もしくはゴール前で一人でキープからのシュート、といったシーンが印象に残っています。でも、昨日のゴールは素早いパスワークから最後にゴール前に走りこんで合わせてのゴール!これはダミアン選手1トップが本格的に花開くな!と感じました。実際、そうなると思います。出場させてもらえれば。

 

ところが、実際はそうでもなく・・・。ここからはネガティブなことを書きますが、敢えて個人の攻撃はしません。しないようにします。

 

試合中にもツイートしましたが、やはりカウンター攻撃は重要だと思います。ボールを保持したまま相手を崩すということに対しては、さすがに相手がしっかりと対策を打ってきています。そういう状況を打破し、よりボールを保持した攻撃を生かすためには、精度の高いカウンター攻撃が必要だと思うのです。金曜日に鳥栖vs神戸をDAZN観戦しましたが、この時の神戸はまさにボールを保持した攻撃とカウンター攻撃を両立させていました。こうなると手を付けられません。そして仙台戦も清水戦も、カウンターによってフロンターレは勝ち点1しか獲得できなかった。フロンターレはカウンターのチャンスを生かすことができなかった(確かに相手のほうが最後は人数が多かった)けど、清水はそれを決めた、ということです。カウンターは相手の守備陣形がそろっていないので、得点につながる可能性が高いと思います。もっと大事にしてほしいです。

 

また、試合終了時間が近づくと今シーズンの恒例の放り込み作戦が発動されたのですが、これが決まりそうな気配がしないのも問題です。これやるならクロスの精度の高さが必要で、GKが出てきづらい位置にクロスを放り込む必要があります。にもかかわらずあっさりGKにキャッチされるクロスになってしまってるので、逆に易々と相手に攻撃チャンスを与えることになっている。この攻撃をするなら最後のクロス要員として太田宏介選手を獲得したかった・・・。また、思い切って最前線に、例えばニアに知念選手、センターにダミアン選手、ファーに悠選手を配置して絶対被るなよ!ってやってから放り込むとか、どうですか?ど素人考えですけど。

 

さらに、もはや「目がそろっている」のが憲剛選手、阿部選手、僚太選手だけな気がします。このあたりは以前から思ってるのですが、もはやこのチームは風間前監督の遺産は限りなく薄まっているということだと思います。ただ、風間前監督の遺産が薄まっているのがいけないということではないと思います。鬼木監督は今フロンターレをどういうチームにしていこうとしているのか?チームの強みを何だと考えているのか?聞きたいと思うのですがそういう機会もないので、私の勝手な想像を。

 

鬼木監督は、何かが尖ったチームを作るのではなく、すべてに秀でたチームを作りたいのではないか?攻撃も、守備も、攻撃の内容も、守備の内容も。先発メンバーも、控えのメンバーも、ベンチ外のメンバーも。フロンターレの選手全員でそういうチームにしたインドはないかと思うのです。それをもっとも象徴しているというか、体現しているのが山村選手なのではないか。攻撃も守備も、いろんなやり方をそつなくこなして実現することができる、ものすごく能力のある選手ですよね!でも、逆に言うとこれを強みとするには、すべてを95点以上取れるくらいにならないといけない。今のフロンターレは全部が80点(もしくはもっと低いものもあるかも)。つまり、傍から見たら「強みがない」と見えるのではないでしょうか。これは短期間で実現できるものではないと思いますが、実現したらものすごいこと。クラブはシーズン前半で実現させるつもりだったのかもしれませんね。「四冠」と息巻いていたのですから。でも現実はACL予選敗退であり、リーグ戦の今の状況です。

 

上位チームが足踏みするのに付き合い、現在4位。勝ち点差は詰められていません。私もあきらめはしないけど、このまま勝てるとも思えません。どんどん他力本願の度合いが強くなっていきます。三連覇は黄色信号を越え「オレンジ信号」です。応援はやめないけど、正直不安のほうが大きいです。

 

「なにかひとつ取りましょう!」阿部選手のこの肩の力の抜けた言葉が今、必要なのかもしれません。