慢心を捨てることから始めるべき(富士フィルムスーパーカップ vs浦和レッズ)

2022Jリーグの幕開けを告げるスーパーカップ。他チームよりも1週間早く公式戦を経験することができるのは、昨年のJリーグ王者と天皇杯覇者のみ。応援するチームが出場するとなれば、寒くても駆けつけたくなりますね。私も先行抽選に応募し当選したので、メインスタンドから2022フロンターレを応援しに行きました。

 

注目すべきは、リーグ三連覇に向けどうアップデートしたのか、です。新体制発表で強化本部長は次のようにおっしゃいました。

「まずは既存の戦力をベースにしました。そして高い目標に向かって、さらに成長できる。プラスアルファを加えてくれる選手をピンポイントで獲得する。そこに重点を置きました。」

 

これを聞いて私は意外に感じました。2019の轍を踏まないためには、チームをスクラップ&ビルドすると思っていたからです。ただ、その後のキャンプの報道などでは、新しいフォーメーションに挑戦してるようなことも聞くし、スーパーカップ前のインタビューで鬼木監督が「スピード」と言っていたので、メンバーは維持だが組み合わせやポジショニングとサッカーの志向を変えることで、チームを破壊し再構築するのだろうと思いました。それはそれですごいことだし、楽しみに思ってました。昨日までは。

 

さて、そのスーパーカップは0-2で完敗。サッカーで2失点し無得点というのは、完全なる敗北以外の何物でもありません。キャンプの報道も、試合前インタビューの内容もどこにもなく、見ていてワクワクしない。とても寂しい試合で今シーズンが始まってしまいました。

 

個人的には、試合後インタビューのコメントにとても驚いています。いくつかピックアップします。

「まずは相手が強い気持ちを持って挑んできたところに対して、球際などで受けてしまった。」(鬼木監督)

「今回は選手たちが頑張ってくれたので、その頑張りがこういう結果につながったと思います。」(リカルド・ロドリゲス監督)

「自分たちが準備してきたものがまだまだ甘かった。」(谷口選手)

「ベンチから見ていて、浦和の組織力や個人個人の能力、気迫や球際の強さを感じた。」(瀬古選手)

 

なんなんですか、これらのコメントは。気持ちで負けていたとか、準備が甘かったとか、新加入選手にもそう感じさせている。チームに慢心があったと言われても仕方ないですね。試合開始した時に「なんだか練習試合みたいな雰囲気だなぁ」と感じたのですが、それを裏付けてくれるコメントをいただきました。新加入選手に対する楽しみとか、そんなのどこかに吹っ飛んでしまうような内容であり、それはモロに心の部分から出ていたようですね。

 

では実際に試合を見ていてどうだったかというと、昨日は浦和レッズの選手が痛んでピッチに倒れるシーンが多かったです。私はこれは決して「マリーシア」ではなかったと思います。浦和の選手達のほうが球際に厳しく来ていたこと、そしてフロンターレの選手のアタックが遅れてきたことが原因だと思います。選手達の上記のコメントどおりです。

 

というのが、私の率直な感想です。いやもう、自分達が気持ちで負けたとかいうコメントをよく言えたもんだ。

 

さて、今後について私見を述べます。昨年からアップデートしていない、新加入選手がまだフィットしていない状況は、リーグがいきなり連戦になることを考えるとかなり厳しいと思います。まずは開幕戦を絶対に勝つことが大事だと思います。2019は同じようにアップデートできていないチームで、初勝利が確か5節だったと思います。その時も「スロースターターだから」という、よくわからないコメントで安心しようとする向きもありましたが、その間にどんどん勝ち点差が開いてシーズン終了となりました。スロースタートなんていいことは一つもないです。

 

また、この開幕戦を負けることは公式戦で連敗スタートということです。他チームに自信を与え、自分達は負のスパイラルに落ちていきます。引き分けでも駄目だと思います。とにかく勝つこと!

 

そのために何が必要か?慢心を捨てることです。試合開始早々は「相手を見る」とか言うけど、それも自分達のほうが上だという慢心だと思うし、その間にスーパーカップみたいに失点するでしょう。Jリーグチャンピオンは去年のリーグにおける話であり、今年は自分達も他チームも別物だということを認識するところがスタートだと思います。「そんなの選手達は分かってる」とおっしゃる方もいるでしょうが、そんなことないですよ?だってあのコメントですよ。そうすれば、去年の後半のように苦しみながらも勝つにはどうすべきか、がわかってくると思います。

 

苦難のシーズンを予感させるに十分だったスーパーカップの敗戦。私がフロンターレを応援することは変わりませんが、チームを妄信しているわけではない。これからも素人なりに思考しながら応援していきます。