「開幕戦だから」は通用しない。みんな開幕戦だもん。(フロンターレvsFC東京)

2022Jリーグ開幕節。等々力での多摩川クラシコは1-0でフロンターレが辛勝しました。自分達の強みを効果的に発揮し、昨年からバージョンアップしている印象のFC東京にくらべ、フロンターレの停滞ぶりがまざまざと感じられました。今シーズンが苦難のシーズンとなることを予感させるに十分な内容だったと思います。感想を3点残しておきたいと思います。

 

まずは、今シーズンのポイントと言っていた「スピード」。立ち上がりの15分ほどは切り替えの速さ・プレスの速さでFC東京を押し込み続けることができました。ですが、これは!?と思ったのもここまで。スピードを感じさせるのはマルシーニョ選手に走らせることだけ。去年の後半から何も変わっていないどころか、主力選手が抜けたせいで劣化しているようにしか見えませんでした。

 

考える速さ、ポジションを取る速さ、ボールの速さ、攻撃の速さ。これらをすべて織り込んでスピードを求めるのでしょうが、カラータイマーが15分しか持たないのでは仕方ない。残りは受け続けると宣言しているようなものです。そしてその通りの展開となり、ソンリョン選手がいまければ完敗していたと思います。スピードに関しては0点でしたね。

 

次に中盤の強度。まさかこのFC東京の中盤相手にボール保持で負けるとはねぇ。フロンターレの強みは中盤を制圧し、相手を押し込むことだと思ってたので、これではサッカーにならない。ロングボールももともと縦に速いFC東京に分があるし、いやもうどうするんだよ?と思ってました。

 

ただ、こういうときでもサッカーは「蜂の一刺し」があります。昨年の最終節、アウェイマリノス戦と同じです。あの時もマリノスに圧倒され続けてたけど、ダミアン選手の一刺しで先制しました。今節もまさにこれで、遠野選手のナイスCKにダミアン選手のすばらしいコントロールのヘディングシュートが決まりました。本当、、これがあるからサッカーは分からないし面白い!

 

3点目は選手層です。今年はワールドカップとACLによる過密日程で、スタメンが2セット必要とはもともと言われてましたが、さらにコロナ禍です。フロンターレも他チームも、感染対策に万全を期していても罹患してしまう。ここまで考慮すると、選手層の厚みとサブメンバーの底上げ、戦術完成度と浸透が図れているチームが有利になると思います。残念ながらフロンターレは戦術浸透度以外遅れている。戦術だって去年と同じだから浸透しているというだけだし、アップデートできていないってことだし。

 

大島選手がアンカーに入りましたが、大島選手がアンカーのスタメンという時点でどうよ?と思うのです。橘田選手がいなければだめ、では今シーズンはリーグ戦だけだとしても立ち行かないのです。上述の通り過密日程だけでなく、コロナ感染リスクがめちゃくちゃ高いから。フロンターレはスタメン以外はベンチも含めて劣っているというのは認めなきゃいけないと思います。そしてそこから成りあがってほしいと思います。

 

とはいえ、勝ったのはフロンターレ。私は富士フィルムスーパーカップの後、この開幕戦は絶対に勝たなければならない、と書きました。新年度早々、公式戦で連敗はしてはいけない。今シーズンのチームが自信を失ったり不信感を持ったりしたら、優勝争いどころか残留争いになってしまうと思っているからです。なんとか勝ちました。あとは昨年の後半戦同様、全員が守備をさぼらず相手攻撃を耐えながら、蜂の一刺しで勝つ。これで行くしかないと思います。

 

ワクワクよりハラハラのシーズンは久しぶり。楽しみながら、とはいかないかもしれないけど、どこまで行けるのか応援します。