選手達は全員が少しずつ強度を上げる、強化担当は監督に丸投げしないこと(フロンターレvs京都サンガFC)

オウンゴールで失点し、0-1の敗戦。5連戦は調子を取り戻せないまま、中断期間へと入ることになってしまいました。

 

タイトルのように、ピッチ上とピッチ外と、両面で課題が浮き彫りになっていると思います。まずはピッチ上。誰かが特別に悪くて足を引っ張った結果がこうなっている、とは思いません。全員が少しずつ足りていないのだと思います。スピード、精度、頭の回転の速さ、アイデア、持久力、耐久力、など。誰か、とか、どれか、とかではなく、全員が、全てが少しずつ足りない。その結果、チームとしての出力が70%になってしまっている。

 

ここまでなんとか勝ち点を奪ってきましたが、それはサボらない守備と少ないチャンスを決め切ったから。今節のように、絶好機と言えた少ないチャンスをのがしていては、いくら頑張って守備をしていても最大で勝ち点は1だし、今節のように0ということになってしまう。だから、全員が全ての項目を少しずつアップグレードすることで、70%の出力を80%、90%としてほしいと思います。

 

もう一つは、これは後出しジャンケンのようになってしまうけど、新体制発表の時からの懸念事項です。まず思い出すべきは2019年。前年まで2連覇し、その延長線上で臨んだ2019年は無残ともいえる結果でした。4231のフォーメーションで、ボールを保持しながら相手を動かしてチャンスを作る。2年間通用したそのサッカーは3年目、マリノスの圧倒的な前へのパワーの前に破壊されました。他人に壊されたことで、これではいけないと2020年からフォーメーションを433に変更し、そこに適切な人材が加入したこともあり、他チームを凌駕する力でリーグ2連覇。そして今年はあらためて3連覇に挑戦する年でした。

 

しかし、強化責任者から出た言葉は私にとって耳を疑うものでした。ピンポイント補強とこれまでの延長というものだったと思います。自ら壊すことを恐れ、安定したすごしやすい環境を選択したのだと思われても仕方ありません。そしてそれは、着々と変化・強化してきた他チームに比べると、力の差がなくなってしまった。いや、逆転されてしまったのだと思います。

 

そして今最も気になるのが、チームの内実は不明ですが、なんとなくその尻拭いを現場、すなわち監督とスタッフが行っているのではないか?ということです。改革しなかったこと、編成のミスを現場に押し付けている、とは言いすぎでしょうが、見た目にはそうなっているのではないか。この編成の中で、鬼木監督は必死にチームとしての出力を上げようとしているが、実はどうしようもなくなっているのではないか?という、心配です。もちろん素人が傍から見て言っていることなので、杞憂に終わって欲しいと思います。もうそれを祈るしかないですから。

 

ネガティブなイメージのまま中断期間になってしまうけど、まだ3位につけているのも事実です。ここ数試合では、瀬古選手がキャプテンシーを発揮するなど、ベンチメンバーから良い兆しも感じられます。けが人が復帰し、ここからどう巻き返すのか?編成に期待できないのがつらいですが、苦しいところで論理的に起死回生の一手を打ってきた鬼木監督とスタッフに期待したいと思います。