奇跡を起こすしかないから、奇跡を信じるしかない(フロンターレvs清水エスパルス)

「自ら取りこぼさないこと」という監督の言葉に反し、自ら取りこぼし続けたフロンターレ。後半著しく出力が落ちるため、相手チームはフロンターレに先制されてもあわてる必要がない。じっくり後半に巻き返せば十分逆転できる。すっかりそう思われていると思うし、その通りだと思います。

昨日の清水戦も、まさしくそのような内容でした。清水は乾選手とピカチュウ選手がベンチスタート。後半出力を上げるときに投入することが見受けられましたし、試合展開もそうなりましたね。さらに、シーズン終盤にきてパフォーマンスが落ちている選手達がいるのも気になります。

 

先制したのはフロンターレ。ただそれは相手を崩したものではなく、セットプレーから相手のクリアボールを拾った遠野選手が左足で正確に決めたものでした。このゴールは見事で、遠野選手がシュートに行ける場所にボールを一発で置いたこと、これが決め手だったと思います。ただ、個人的には遠野選手が良かったのはこのシーンのみで、インサイドハーフとしての動きは今一つ。途中交代も納得のできたったと思います。

 

また、シミッチ選手は足元にボールを置く時間が長く、何度も狙われてボールロスト。シミッチ選手がベンチ入りできなかった時期が長かったのはこのプレーが要因だと思うのですが、コロナクラスター後にスタメン奪取してからはこの気配がなくなってました。ところがここにきてまた元に戻ってしまった。守備で効いたり大きくサイドを変えるのは上手いので、ここで悪い癖が戻ったのはかなり厳しいと思います。

 

さらにさらにノボリ選手。今シーズンのパフォーマンスの低さは目を覆うこともあるほどで、昨夜もそう。自信があるのかわかりませんが、相手が寄せるぎりぎりを狙ったり、苦しい状況でも味方へのパスを選択しようとしてインターセプトされたり。2失点ともノボリ選手が絡んでしまっていたと思います。ベストイレブンのころのクレバーなノボリ選手には相当遠い状況です。

 

このようなすっとこどっこいな状況にもかかわらず、フロンターレが逆転できた理由はズバリ、家長選手と知念選手だと思います。今フロンターレで相手と肉体で戦えるのはこの2人だけ。試合をクローズするためにはこの2人は欠かせないと思います。ただ、家長選手は攻撃の組み立てを一身に引き受けているため、試合終盤や連戦ではさすがに身体が動かなくなる。だけど交代させると逃げ切れない。これはひとえに他の選手達、特にスタメン外選手が悪いのであって、家長選手のせいじゃないとおもう。要は、いつもの編成の大失敗と底上げの大失敗につながるのですが。

 

残り3試合で首都の勝ち点差は5。逆転可能と言えば聞こえはいいが、あくまでもマリノスが負けることが前提で、ボールはマリノスが握っていることに変わりはありません。ここまで何度も言ってきてすっかり「オオカミが来た少年」ですが、フロンターレは残り連勝するしかない。昨夜のようにすっとこどっこいな状況でも、勝ち点3を獲るしかない。奇跡でしかないのですが、選手達が奇跡を信じている以上、サポーターも一緒に信じることしかできないのです。(だからこそすっとこどっこいはやめていただきたい。)

 

まずは、消化試合をなくしましょうよ。