悔しくも美しい試合(Fリーグファイナルシーズン墨田ラウンド ボルクバレット北九州vsフウガドールすみだ)

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※画像はオフィシャルから引用です。


いよいよフットサルリーグDiv.1も最終日。ファイナルシーズン最終日は墨田区総合体育館でフウガドールすみだと対戦しました。この試合前、すみだは10位でボルクは勝ち点差3の11位。ボルクが勝利すると勝ち点で並び、得失点差で順位が入れ替わるという6ポイントゲームです。しかも花嶋悠選手はこの試合をもって(まだ選手権は残っているけど)引退ということで、ボルクとしては花嶋選手の引退の花道を勝利で飾りたい。しかし、すみだも田口選手が同じく引退で負けるわけにはいかない。このアリーナをホームにしているすみだ相手ということで実質アウェイのボルクですが、両チームとも意地を出して戦いました。
 
結果は3-3の引き分け。先制されたボルクですが、田村選手の2得点と大澤選手のゴールで3-1と逆転に成功。しかし終盤すみだのパワープレーに屈し2失点。試合終了時のボルク選手達の悔しそうな顔といったらなかったです。そりゃそうです、同点ゴールは終了間際の残り22秒。しかもクイック気味にリスタートされ、角度のないところからゴールネット上に突き刺されたのですから。パワープレーに対し強度をもって守っていたのですが、この早いリスタートに隙を突かれるというのは、今シーズン前半に何度も見た気がするんですよね。リーグ後半にかけて攻守に連携を深めてきたボルクでしたが、最後の最後に、まさに一瞬の隙を作ってしまったと感じました。翌日の町田vs名古屋の優勝決定戦も、町田が2点を追いかける展開で終盤パワープレーに入ったのですが、1失点したものの名古屋の守備は凄みを感じましたし、そのまま逃げ切って優勝しました。このあたり、具体的には説明できませんが、残念ながらボルクと差があるように感じました。
 
しかしながらこの試合、リーグの下から2番目と3番目の戦いとは思えない、フットサルの魅力が詰まったすばらしい試合だったと思います。その理由はいくつかあるのですが、まずフットサルの最大の魅力であるゴール数。両チーム合わせて6ゴール、それもバラエティに富んだ素晴らしいものでした。ボルクに関しては田村選手の相変わらずの嗅覚のすばらしさ、そしてイザケ選手の強烈なシュート(クロス)に触れてコースを変えた大澤選手。すみだについては、思い出すと悔しいので触れませんよ~。やっぱりゴール数は、特に私みたいな素人にはわかりやすくて好きだし、大事だと思います。
 
次にプレー強度。両チームとも強度が高い!会場MCの福田さんからはボルクについて「この最後まで落ちない弾丸プレスがボルクの魅力」といった旨のコメントいただきました。そうなんですよね、最後まで前から前から行く守備はボルクの魅力。そしてそれに負けないくらい高い強度でプレーしてきたすみだ。レギュラーシーズンでの対戦は1勝1敗、ここで決着をつける!という、気持ちが前面に出た試合でした。そしてそんなすみだの猛烈なプレスに「はめられた!?」と思ったこと複数回、しかししっかりそこからパスワークで逃がして相手ゴールに迫るボルクというシーンも多数。今も思い出しながら鳥肌立ってます。
 
そして、バチバチにやり合っていたにもかかわらず反則が少なかったこと。これはフットサルの観戦者を広める上で大事なポイントだと思います。私は個人的に、乱暴なプレーがまかり通るスポーツを子供たちに見せたいとは思いません。(プロレスとか相撲とか、競技向けに鍛えた選手達がルールの中で行うスポーツは別です。)そういう意味ではこの試合はファールが少なく、ボールがアウトになった時以外に時計があまり止まらなかった。両チーム正々堂々と、フェアに、スピーディーに、バチバチにやり合った、称賛されるべき美しい試合でした。
 
 
では、印象に残った選手について簡単に。
まずは田村選手。言わずと知れたチーム内得点王ですが、この試合前に16ゴール。あと1ゴールで背番号17に並ぶということで勝手に期待していたら、あっさりそれを超え2ゴールを積み上げ18ゴールとしました。これはF1リーグで7位の素晴らしい数字です。前述したようにゴールへの嗅覚のすばらしさはもちろん、ゴレイロを見てチップキックをしたりコースを変えたり。もちろんFPとして運動量も落ちない。選手権も期待していますよ。
なお、チーム内2位は宮崎岳選手の13ゴールで、2桁ゴールはこの2人だけ。次にクシヤマイザケ選手の9ゴールと続きます。来シーズンはもっと2桁ゴールのFPを輩出したいですね。イザケ選手は背番号15以上をお願いします!
 
次に伊名野慎選手。両チームともバチバチに行ったということは、お互い決定機を作ったということでもあります。そういう意味では3得点3失点以上の展開になってもおかしくなかったのですが、そこを引き締めたのはまぎれもなく両チームのゴレイロでした。どちらも素晴らしい反応を連発。それをFPが上回ったのはお互い3回ずつだったということですね。伊名野選手については今シーズン何度もチームを救い、サポ席を煽って鼓舞してくれたことか。一方、最後の失点は悔しくて仕方ないと思いますが、あれは前述の通りチームとしての隙だったと思う。選手権もよろしくお願いします。
 
3人目は宮崎岳選手ですが、この試合に限ったことではないことを。私にとってフットサルと言えば、元ブラジル代表のファルカンです。以前のフットサルはボディコンタクトに対して厳しく、スライディングなども禁止。よって、攻撃対守備の1vs1の攻防が今よりも数段多くありました。攻撃側の選手はボールをこねくり相手を動かし、いかに逆を突くか。守備側の選手はそれに乗らず読み切って、いかにボールを奪い切るか、みたいな感じでした。その後フットサルはルールが変更され強度重視となり、ご承知のように今ではスライディングもOKだし、激しいボディコンタクトもあります。プレーもより組織だったものが多くなり、スピード感あふれるものとなりました。(昔が良かったとか、今の方がいいとか、そういうことが言いたいのではないですよ。)
そして私が宮崎選手に対して一番ワクワクするのが、この足下にボールを置いて相手と対峙した時、1vs1でどういう足下のスキルで相手を抜くのだろうか、ということです。こういうシーンが昔より減っていっている中、ポジションの兼ね合いもあると思いますが、宮崎選手は必ず試合中にそういうシチュエーションで魅せてくれます。ボルクの試合に行くと32番のユニを多く見かけます。宮崎選手が好きな理由はそれぞれでしょうが、私はこういった理由でいつも注目しています。選手権でも抜群の足技に注目です。
 
もちろん、ほかの選手達も全員印象深いし、全員にコメントしたいのですが、私のダラダラした文章で上手に表現できないのでごめんなさい。でも、いつもそうなのですが「出来が良くない選手」なんて一人もいませんでした。全員が手を抜かず、ずっと全力で走っていましたよ。
 
最後に、この試合でFリーグから引退する花嶋選手について。本当にやめるのですか?と言いたくなる充実したプレーでした。宮崎選手とポジションを入替えながら前線に押し上げたり、相手のマークの裏を突いてゴール前に顔を出したり。私が花嶋選手を存じ上げたのはほんの1年ちょっと前なのですが、この期間でも十分すぎるインパクトを与えてくれました。だから感謝の気持ちを込めて試合後、僭越ながら私からも横断幕を掲出しました。次の夢に向け、頑張って欲しいですね。でもその前に選手権ですね。ついでにやめるのやめたら?
 
あと、会場MC務めていただいた福田悠さんには心から感謝です。墨田区総合体育館とはいえセントラル開催なので、あくまでも中立の立場でMCしてくださいました。両チームがそのときの攻撃や守備でどういうフォーメーションを取っているのか、それはどういう狙いがあるのかだったり、選手の名前と特徴とか、とても分かりやすく、テンポもよく、試合の流れに乗って見事に説明してくださいました。私みたいな素人にはもちろん、恐らくフットサルに詳しい方も唸る解説だったのではないでしょうか?翌日も朝からMCがあるにもかかわらず、夜は飲み会の場に顔を出してくださり、一緒に写真撮ってくださったり。気さくで素晴らしい方ですね。来シーズンも是非おねがいします。あ、来シーズンは墨田でもボルクが勝つし、ギラヴァンツも相模原で勝たせていただきますので!

  
これで2023-2024F1リーグでのボルクバレット北九州の冒険は終わりました。12チーム中11位と、去年から大きく順位を落としたのは事実だし、結果という意味では満足できるものではありません。しかし、1試合1試合の中身を見ると、1つとして緩いプレーの試合はなかった。だから選手達に「怒」の気持ちなんて湧くわけもなく、いつも「喜と哀楽」を味わってきました。ちょっと「哀」が多めだったかな?でも、だからこそ「喜」は格別だったし、そもそもボルクを応援すること自体が「楽」でしたよ。関東アウェイ中心に私なりに精一杯声を出しましたが、選手達の後押しには少し足りなかった結果でもあると思います。そこは本当にごめんなさい。

 

ただリーグは終わりましたが、シーズンはこれからまだフットサル選手権があります。1回戦・2回戦は地方開催のようですが、3回戦以降は東京・駒沢開催。昨年に続き、まずは何としても3回戦に勝ち上がってきてください!そしてさらに先、まだボルクバレット北九州が見たことがない景色を、私達サポーターに見せてください!狼は集団の規律を守りながら勇猛に戦います。弾丸は後ろには飛ばず、前に向かって飛んでいくのです。
「気高く!勇猛に!前へ!」