見えてきた勝ち方と変わらない課題(ギラヴァンツvsFC岐阜)

DAZN観戦しました。ギラヴァンツ北九州はこれで2連勝!5勝5分7敗となりました。私がマイルストーンと思っている、勝ち数が負け数と同じになるまで、あと2勝まできました。ようやく・・・

 

さて、ここ数試合は得点できることができるようになりました。私が感じるのは、得点パターンができつつあるのかな、ということです。ただしこれは、チームの狙いとは違っているかもしれないですが、結果としてこういう得点パターンかな、と。すなわち、「カウンター気味」ということですね。先制点の場面は確かにボールを動かしながらゴールに迫りました。ここで斜めに走りこんだ藤谷選手へのパスは、全く意図が合っていません。これはパスを出したほうのスキル問題かもしれないし、意思疎通が取れていないからかもしれない。ボールは欲しい場所に来ず、藤谷選手の走り込みについていこうとした相手DFも藤谷選手も進路を急変更。結果として中途半端なボールに対して岐阜DFが出した足はボールに触れず、藤谷選手の足に行ってしまった、というものでした。ひとえにラッキーなPKだと思います。

 

ただ、ここで大事なのはPA内で仕掛けるということ。例えば藤川選手などはPA内でボールを受けに仕掛けます。DFはそのケアをせざるを得ない。ドリブルで仕掛けられたら、DFはなお大変です。先制点はそういったPA内で仕掛けよう!という意識が高まっており、そこから得たPKだと思いました。

なお、前川選手のPKはGKにバッチリコース読まれてたし、前川選手も小さいステップで蹴るせいか、シュートスピードもそこまでなかったので、冷や冷やのPK成功でした。そしたら2度目のPKはバッチリ対応されました・・・。あれ、シュートスピードが速ければ、GKの手の下をすり抜けたり、手をはじいてゴールしたりするんでしょうね。まあ、次は大丈夫でしょう!

 

そして2点目は、ここ数試合で見せるギラヴァンツの得点パターンだと思います。つまる「カウンター気味」の攻撃です。まず右から左前方、または左から右前方のスペースへと大きくボールを出す。そこで味方が受け、相手守備が揃い切らないうちに攻撃を完結させる、というものです。昨日はゴール前でボールを動かす手数が多くなってしまい、相手が揃ってしまいましたが、それでも前川選手がゴール前右サイドに出したパスは素晴らしかった。89分という時間に長距離を走らされた相手DFは集中力も足元もなかなかしんどかったと思います。そういう意味では走り勝ちでもありますね。最後は佐藤亮選手が低いクロスボールに対して頭から飛び込んで勝ち越し点!いやぁ、自宅で叫びましたよ!

 

もしかしたらギラヴァンツはもっと自分達でボールポゼッションし、ショートパスを活用して相手ゴールに迫りたいのかもしれません。しかし、ぶっちゃけ中盤の選手が試合を支配できないのでなかなかそうはならない。そんな中でも、今のメンバーをベストメンバーとして勝ち点を奪うために、実戦で行きついたのがこの戦い方じゃないかと思います。すなわち、PA内では仕掛けること、そして速くカウンター気味に攻撃すること、です。

 

一方で守備。カウンター攻撃をするということは、その前に相手攻撃を防いでいることが前提ですが、ここは相変わらずペナルティーエリア内での守備の弱さが目立ちます。典型が岐阜の同点ゴールのシーンだし、後半開始早々の岐阜の決定的なシーン。どうしても相手を自由にしてしまう。これは誰がどう研究して対策するものなんですかね?ギラヴァンツはPA内ではボールウォッチャーになる、って思われてそうで嫌だなぁ。

 

他にも成長しなければいけないシーンはたくさんあったけど、得点できるようになったこと、勝ち点3を奪えるようになったことは、本当によかったと思います。私が現地観戦したアウェイ沼津、アウェイ相模原の時なんてさぁ・・・。ただ、まだまだ攻撃も守備も構築途中。そもそも不得意な肉弾戦を挑んでこられても勝てるのかわからない。簡単にJ2昇格を叫ぶことができない状況は変わっていません。だからこそ、成長余地の大きさに期待しながら今シーズンの残り半分を応援していきたいと思います。

 

 

1つのファールが試合の評価を難しくした(フロンターレvsガンバ大阪)

 

すっかり遅くなってしまいすみません。7/9(土)のフロンターレvsガンバ大阪の感想を簡単に残しておきます。

 

フロンターレとしては、結果として4-0の快勝となりました。得点力不足という、ちょっと考えられない問題を抱えている今シーズン。この試合の良かった点は、何と言ってもFWにゴールが生まれたことだと思います。ダミアン選手、マルシーニョ選手そして家長選手。どれをとっても文句のつけようのない、すばらしいゴールでした。そしてインサイドハーフの脇坂選手も。インサイドハーフは当然ゴール前に入っていくことを求められているのですが、今シーズンどうもサイドバックにお株を奪われがちでした・・・。この試合では、山根選手がやや控えめだったせいもあるかもしれませんが、脇坂選手にゴールが生まれたのは本当によかった。やっぱり前線が期待された結果を残すと盛り上がりますね!

 

一方、課題は後半にあったと思います。ガンバ大阪がぐっとラインを下げ、5バック気味にシフトすると、一人多いにもかかわらず攻めあぐねました。結果、後半だけを見たら0-0。交代選手を含め、スペースを消されたときにどうじれずに相手を動かしたり、ミドルシュートで前に引っ張り出したりし、隙間を作ってゴールに迫るのか。これまでもなかなかうまくいかない部分はこの試合でも健在だったと思います。しっかり兜の緒を締めてほしいですね。

 

そしてこの試合の最大の問題点は、前半早々のガンバ大阪の選手のファールによる退場だと思います。その前にフロンターレが先制しており、ガンバとしては反撃に向かう場面ではありましたが、自陣のパスワークの乱れを突かれたときに、スライディングしながら足を上げてしまいました。このファールによってこの試合の評価が難しくなってしまったと思います。前半4得点のうち、3得点は退場後に奪った得点。少ない相手をうまく動かしたという面では良いのですが、やはり11人対11人だとどうだったのか。フロンターレは成長しているのかどうか。判断がつかなくなってしまいました。やっぱり、お互いにベストな状態でやってる試合を観たいですね。

 

天皇杯の敗退により、フロンターレは次の試合まで1週間空きます。しっかり調整して、アウェイ名古屋へ・・・と思ったら、なんと名古屋の選手やスタッフにコロナ陽性が発生し、次節は延期!後半戦がきつきつになるのはいやだなぁ。でも仕方ない。こうなってもいいように、強化部は選手を補強してきたんですもんね!?ね!?ね!?今更言い訳するなよ~

 

というわけで、PSGとの話し合いはあるが事実上フロンターレはしばらくお休み。再調整して後半戦の逆襲に期待したいと思います。

 

どうしたら今のチームで勝ち点を稼ぐことができるか、という考え方が必要(フロンターレvsセレッソ大阪)

アウェイでの試合、DAZN観戦しましたが、1-2で逆転負けを喫しました。

 

勝負弱さを感じる内容でした。前半はほぼ試合を支配したと言っていいでしょう。大島選手を中心に、よく動けていたし。ただ、中央突破はできず外回りでボールを運ぶばかりで、クロスもピンポイントで合わせるしかゴールの可能性のないものばかり。セレッソが割り切って守備をしてきたことがよく感じられました。つまり、ボールを持たされていた、といことです。

 

後半、修正してきたセレッソに対し、フロンターレは対応できず。押し込まれ続け、セットプレーで逆転を喫しました。この、真中を割らせないことと、セットプレーの守備の弱点こそ、セレッソが事前にスカウティングし、対策を練ってきたところだと思います。

 

フロンターレは揺らいでいると思います。この試合も、目的は「勝ち点3」だったのかどうか。つまり、1-0でも勝てばよい、だったのか、2-1,3-2で勝つ、だったのか。私はなんとなく後者だったなおではないかと思っています。それは、それこそがサポーターの求めるフロンターレ像だからです。攻撃的で(失点しても)上回る得点をして勝つ。逆に言うと、1-0ででも勝つべき試合をそれで失っているのではないか、と思うのです。

 

前節の磐田戦はホームで追いつかれ1-1。今節は1点先行したものの守備に追われ、逃げ切りのシフトではなく追加点のシフトを敷いて逆転負けです。何度も言ってきたように、今のフロンターレは去年前半までのフロンターレではないのです。さらに言えば去年後半の「全員が守備をさぼらず、少ないチャンスを決めて勝つ」フロンターレでもない。守備の強度も攻撃の強度も段違いに落ちている現実を認識した上で、どうしたら勝ち点を稼げるかを考える必要があると思います。

 

そうすると今の彼我の力量を考えれば、まず先に失点しないこと。すなわち守備強度をもう一度取り戻すこと。その上で少ないチャンスを決めること。(それができれば苦労しないとは思いますよ。)そして交代選手を活用して守備の強度を保つこと。今はそれしかないと思います。

 

去年の最終節、アウェイマリノス戦なんて、まさに事実上の「矛と盾」だったのです。少ないチャンスをダミアン選手が決めて先制、マリノスが攻撃圧力を強めに強めて試合し同点に追いつく、という試合でした。あのやり方でやるのが、今のフロンターレにとっては現実的だと思います。

 

それにしても感じるのは、リーグの中で相対的な強さを維持しながら新陳代謝をは図り、成長していくことの難しさ。フロンターレに関しては自ら変化することを怠った、今までと同じことを「継続と強化」しようとしたことで、周りが「変化と強化」するのに絶対的にも相対的にも落ちてしまった。思えば最近数年は鹿島アントラーズも苦労していました。そういう時期を経験することがきでるというのは、サポーターとして幸せなことかもしれませんね。でも、黄金時代を経験し、その後勢いを失ってしまったクラブもあります。ジュビロもベルディも黄金時代の後に降格を経験しています。それだけ拮抗したリーグなんですね。

 

フロンターレは来年度の新加入にユース出身選手が3人内定しています。去年までの黄金期から、少しの再構築期間を経て次の黄金期を近い将来に到来させるべく、育成含めてしっかりやっていると思います。次の黄金期はどのように変化したフロンターレなのかを楽しみにしながら、でも今シーズンのチームが全力で結果を出せるよう、応援していきたいと思います。

ベテランがやれることをやり切って引き寄せた勝利(ギラヴァンツvsカマタマーレ讃岐)

 

DAZN観戦でしたが、ミクスタの歓喜が伝わってきました!1-0でギラヴァンツが4月以来の勝利。勝利のキーマンは、前節追いついて引き分けたいわき戦でも存在感があったベテランMFでした。

 

ギラヴァンツがJ3でこの順位にいるのは理由があるわけですが、守備も攻撃もどうにもうまくいかない。その中でも私はボランチの存在感の薄さが一番の原因かなと思ってます。ボールをつなぎたくてもフィールドの中盤を制することができないので、つねに外回りでボールを運ぶしかない。相手もそれがわかってるから、しっかり対応され良いクロスを上げることができない。上げても中でしっかり対応される。サイド攻撃に強みがあったとしても、やっぱり中央を突破する攻撃も織り交ぜなければ効果は半減以下です。そして中盤を制することができないのは、やっぱりボランチの責任だと思います。

 

前節と今節、スタメンに名を連ねたのはベテラン六平選手でした。中盤でボールをつなぐ、ということに関してはすべてうまくいったとは言えませんが、動くエリアの広さと、攻守に走って貢献する姿はすごかった。少なくとも、点を取る・点を取らせないために全力で走ること、チャンスと見たら攻撃に絡むために走る、ピンチにはゴールを守るために走る。ベテランが誰よりもそれをやってみせたのですから、他のメンバーがやらなければ悪目立ちします。

 

やらない選手が目立つ、というのはチームにとってとても大事なことだと思います。強いチームってそういうチームですよね。どこか上手いプレーになりがちだった雰囲気を、そうではなく、全員がやれることを全力でやり切るのがギラヴァンツだ、と六平選手がプレーで示してくれたように感じました。この姿勢が浸透すれば、ギラヴァンツの反撃ののろしは消えることなく、むしろ燃え盛ると思います。ポイントはチーム内に浸透するか、です。

 

ようやくサポーターと喜びを分かち合うことができました。ここからまずは勝ち数と負け数を逆転させること。そのためには、全員がやれることをやり切って勝利を手繰り寄せながら、現時点では拙い攻撃と守備を整理する。上位そしてJ2昇格を目指すのであれば、これを実現するしかない。期待しています!

 

私も早く目の前で勝利をみたい!

 

フロンターレが変わったことを受け入れていなかったのは私自身だった(フロンターレvsジュビロ磐田)

1-1の引き分けとなりました。前後半で一変した展開は、ジュビロが変化したことにフロンターレが変化できなかったからだと思います。もっと言えば、以前だったら変化せずとも対応できたことが今はできない、ということです。

 

前半と後半の違いと言えば、ジュビロのプレス強度です。前半は立ち上がりこそジュビロは前プレを強めたけど、しばらくするとブロック守備に切り替えました。引水タイム後も同様でした。よってフロンターレは苦労せずしてボールを保持することができました。攻めあぐねはしたものの、谷口選手のロブパスに山根選手が反応しワンタッチシュート!CBからSBへのアシストで見事なゴールが生まれ先制することができました。

 

後半、ジュビロは一貫してプレスを強めてきました。湘南戦以降、フロンターレの仮面はすっかりはがれていて、連動してプレスをかけ続けられるとボールキープできない。まんまとその通りとなり、ずっと押し込まれ決壊。CKから失点し、ホームで追いつかれるという、悔しい結果となったのです。

 

このプレス耐性の低さについては、もうどうのこうのいう気持ちにすらなりません。風間前監督時代に仕込んだボール扱いのスキルは、時間の経過と選手の入れ替わりによって消え失せ、ここ数年は強いプレッシングで相手のミスを誘ってからのショートカウンターというのがフロンターレの得点パターンでした。しかしこれも選手の入れ替わりとともにできなくなり、今は守備も耐えられないし得点もできないという、およそ特徴のないチームになってしまったと思います。

 

昨シーズン後半から感じていた停滞感は、旗手選手の移籍からいよいよ度を増し、今シーズンははっきりと停滞していることを感じます。ピンポイント補強も成功したとは言えず、強化と編成の失敗も響いています。昨日交代で出場した選手達が試合に入れず、むしろ足を引っ張ったことが如実にそれを表しています。

 

しかし、それらはとっくに受け入れておかなければいけないことだったのです。守田選手も田中碧選手も三笘選手も旗手選手もいないのです。それに対し成功した補強は橘田選手だけ。日本代表クラスが4人抜け、それに近い力を持った大卒新人1人の補強では、こうなるのは明白ということは分かり切っていた。でも、私自身が過去の、ここ数年のフロンターレをイメージするがあまり、過大な期待を寄せていたのです。実力が伴わないにもかかわらず、できないことを「なぜできない?以前はできたじゃないか!」と言っても仕方がない。できてた人がいなくなって、できない人が残ったのだから。

 

こういう考え方はサポーターとして失格かもしれないけど、これが事実だと思います。シーズン半分すぎてやっているサッカーがこれだということをきちんと認識し、所属するメンバーを正しく理解し、彼我の力の差を認め、過大な期待をせず、フロンターレはどこまで行けるのか。そういう視点で追いかけて行こうと思います。

中身も結果も、「次」もない試合に拍手はできない(天皇杯3回戦フロンターレvs東京ベルディ)

私は天皇杯が好きです。

 

Jリーグは前年実績に基づいてカテゴリー分けされた中で総当たりで戦い、J1の場合は34試合で最も勝ち点の多いチームがチャンピオンになります。試合数は申し分ないけど、前年実績でのカテゴリーという点がちょっとな…と。ルヴァンカップはJ1プラスアルファのごく一部しか参加できないし、レギュレーションも独特。一方、天皇杯は日本中のサッカーチームが目指すことができる。本戦に入ってからはトーナメントのため、一回でも負けたら終わりです。まさしく日本一を決めるタイトルだと思います。だから、優勝チームがACLに出場できるというのは適切な扱いだと思います。

 

フロンターレは2021年1月1日に天皇杯を獲得しましたが、コロナ禍でレギュレーションが特別でした。そもそも天皇杯の価値は全てのチームにタイトルを目指す権利があることだと思うのですが、この時は2020年のJ1の1位・2位、J2の1位、J3の1位の4チームにしか権利が与えられず。よって2連勝すればタイトルを獲得できるというもの。天皇杯の価値を貶めるつもりはないけど、この時のフロンターレ天皇杯獲得はボーナスステージだと思っています。つまり、フロンターレは真の天皇杯王者、真の日本一になったことがないと思います。だからこそ私は毎年、何としても天皇杯を獲って欲しい!と思っています。(2021年1月1日のスタメン、日本人全員が現時点での現役の代表または元代表ですね・・・加えてブラジルと韓国の元代表・・・)

 

さて、昨日の天皇杯3回戦の感想です。振り返るのも嫌になるような内容だったので、簡単に書き残しておきます。

 

残念ながら非常に情けない試合でした。2回戦と同じ中盤構成ですが、悔しいことに大学生には通用してもJ2には通用しないことが明らかにされてしまいました。これまでポイントポイントでサブメンバーが活躍する場面があったの、選手層の底上げが図れているかと思い始めてましたが、勘違いでした。非常に厳しい言い方になるけど、良い点が見当たらない。相手のプレスをいなせず、ガっと来られてボールを失うシーンは、湘南戦や札幌戦の失点と同じ。ちなみに2020年~2021年のフロンターレはこのスタイルでしたね。433に変え、前から猛然と連動したプレスに行くことで相手ゴール近くでミスを誘いボールを奪って、ゴールを陥れる。当時できたことが今はできず、逆にやられてるというわけです。

 

思い出すとまたむしゃくしゃしてくるので、もう終わりにします。なお、この試合で負けたことはリーグ戦の1敗とは全然違うことを再認識しておきたいと思います。「次」はないのです。ここで終わりなのです。だから「切り替えて次!」とはならない。だから私は、ブーイングしなかったけど拍手もしなかった。天皇杯が大好きな、フロンターレ天皇杯を獲得して欲しいと心から願う1サポーターの、小さなブーイングだったつもりです。誰にも届いていないだろうけど。

 

近くの味方にパスしようにも、近くに味方がいないんじゃしょうがない(ギラヴァンツvsいわきFC)

上位のいわきFCに2点差を追いついてのドロー。結果としては良かったと思います。これぞJ3という肉弾戦でしたが、これに勝たなければ昇格できないのです。ギラヴァンツのフィロソフィーがどういうものなのか、私にはわかっていませんが、自分達でボールをつないで相手ゴールに迫るのであれば、肉弾戦だろうが何だろうがいなすだけのスキルと、相手よりも適切なポジショニングする運動量が必要だというだけです。なお、肉弾戦をバカにするつもりは全くありません。ギラヴァンツも小林さんが監督になった1年目は、徹底的にフィジカルを鍛え、相手が走れなくなった後半でも自分達は走る。そうやって相手との優位性を作って1年で昇格しました。もちろんそこには、ボールを扱えるボランチもいたし、得点力のあるアタッカーもいましたが。

 

この試合で気になったのは、監督のハーフタイムコメントです。「近くの味方にパスを」旨を言ったようですが、そのためにどうしなければならないか。もちろんコメントは全部を発表するものじゃないから、そのあたりも具体的な指示があったのだとは思います。今シーズンのギラヴァンツは、縦のコンパクトさが非常に薄いと思います。相手のプレスを嫌がり、コンパクトさがないから、近くに味方がいない、その要因はやっぱりボランチのスキルというか、プレスをいなせないことだと思います。思い切って3ボランチとかいかがでしょうか?ちょっと後ろがかりになってしまうかな。

 

縦のコンパクトさがないから近くに味方がいない。一番近くの味方との間に敵がいて、パスが引っかかってしまう、そうなっていると思います。ギラヴァンツ1点目の髙澤選手のゴールは見事でしたが、スペースを佐藤選手が運び、池高選手(でしたっけ?)のクロスも長いもので、決して「近い味方」ではない。宮崎戦の髙澤選手のゴールも、自陣ゴール前からドリブルとパスをつないでいきましたが、これもカウンターでスペースがあったからですが、「近い味方」ではない。今シーズンの見事なゴールは、自分達で相手を切り崩すのではなく、カウンターから生まれているというのが事実です。今のギラヴァンツは、相手のプレスを頑張って耐え(決壊して失点してますが)、一気にカウンターで少ないチャンスを決めて点を取るチームです。

 

カウンターで得点するチームでもいいんですよ。そうやってタイトルを取ったチームは世界中にたくさんありますし、ワールドカップで活躍した国もある。要はギラヴァンツのフィロソフィーは何か、それに向かってどういう時間軸でやっていくのか、だけです。現時点ではボールを保持したそうなので、思った得点ではないではないのでしょうね。

 

それにしても悔しいのは、この試合結果のとある報道タイトルが「いわきFC痛恨のドロー」ということ。2点差で勝ってたのに追いつかれたのだから「痛恨」というのもあるけど、その前に「ギラヴァンツには勝って当然」という思いが、どこかにあったのではないか。と言うと、私が卑屈になりすぎですかね?それでもギラヴァンツを応援し続けますので、よろしくお願いいたします。