2019J1リーグ最終節。フロンターレはホーム等々力にジュビロ磐田を迎えました。前々節アウェイC大阪戦で優勝を決めて以降、ようやくホームの試合ということで、もちろん全席完売でした。ホームの大観衆の前でチャンピオンらしい試合を見せたかったのですが、ジュビロ磐田もJ2との入れ替えプレーオフにまわることを避けるべく、高いモチベーションで臨むのは当たり前で、やはり簡単な試合にはなりませんでした。結果的には2-1で逆転勝利し、有終の美を飾ることができたのですが、大久保嘉人選手にゴールを許し先制されるという、苦い試合となりました。
さて、今日は2つほど感じたことを書きたいと思います。まずは今日の試合の位置づけについて。今日見てて思ったのですが、今日の試合と先週のFC東京戦はセットだなと。もちろんスタメンを変えなかった、というところなんですが、戦い方にそれまでと変化があったと思います。ボールを大きく左右に動かすことで相手を動かして、ギャップを作ろうとしていたようでした。具体的には、右CBから左ワイドへ、左CBから右ワイドへ、というふうにです。FC東京にはそれなりに効果があったようですが、今日はそうでもなかったかな。試した回数も少なかったですね。同サイドでボールをつなぎ倒すだけではノッキングを起こしてしまうことがあった攻撃を、逆サイドに展開することで相手を動かすというのはすごくいいと思います。それもSBからSBではなく、CBが行うところが、なんだかいいですね!家長選手なんかは難しそうなボールも簡単にトラップしてるように見えて、さすが!と思いました。こうして攻撃のバリエーションを増やすチャレンジができるのも、2節を残して優勝できたからですね。
次に、今日も先発した田中碧選手について。今日はミスが目立った、とも思いますが、それは碧選手だけじゃなかったと思いますよ。今日のフロンターレは全体的にミスが多くて、ボールをつなぎ倒せませんでした。横パスなんてゆるゆるだったりしたし。ちなみに前節もそうでしたが。で、碧選手。私が感じたのはボールの手離れの良さです。通常だとボールを受けてパスを出すのが「トン・トン」というリズムだとすると、碧選手は「ト・トン」と出すんです。ワンタッチパスは誰もが「トン」、2タッチだと「トン・トン」、FC東京戦でもちょっと思ったのですが、碧選手は「ト・トン」と出せる。これは中盤のリズムを変える点でも面白いんじゃないかと思います。まだちょっと判断が遅れるところがあるようだけど、今日も厳しくプレスにいってたしガッツもあるみたい。来シーズンに大いに期待したくなりましたよ。
こういうことに気が付いたのも、2節を残して優勝できたおかげだと思います。前節も今日も、攻撃のオプションを中心に試したのでしょうが、そのため守備は危うくなりましたね。鬼木監督は攻撃も守備も高度なバランスを取ろうとしています。来シーズンに向けて長いオフに入りますが、まだまだ進化するフロンターレを楽しみにしたいと思います。