ACLグループステージ突破!これがACL仕様のフロンターレ(フロンターレvs大邱FC)

ACLグループステージ第5戦、フロンターレは初戦で苦戦した大邱FCに3-1で完勝することができました。この試合ではACL仕様の戦い方で、「何よりも勝つこと」というグループステージの目標を達成することができました。過去のフロンターレとはちょっと違う感じがしたし、チームの成長を感じました。

 

まずはピッチ対策。ご承知の通り表現は悪いけど「劣悪」と言っていいレベルでしたね。試合後のコメントでも、「学生の頃」とか「芝の部分のほうが少ない」とか「スパイクが土に埋まる」とか。ただ、ACLでは等々力のようなピッチで試合し続けるわけではないのは想定内。条件は相手も同じなので、そこでどのように戦い、狙いの結果を得るか、が重要です。

 

フロンターレは、ピッチの状態を確認しながらも、浮き球でパスをつなぐシーンが多く見られましたし、一気に裏を狙って走り込むシーンも多かったと思います。気温も含めてハードな条件の中で、どうしたらもっともゴールに近づくことができるか。足元のパス交換にこだわらず、かといってロングボール一辺倒でもなく、この試合に応じた適切なバランスで試合を進めたことは、これまであまり見たことがなかったので、驚きましたしうれしかったです。

 

この試合、ダミアン選手がハットトリックを決めましたね!これもACL仕様だと思います。ダミアン選手はJリーグでももちろん輝きを放っていますが、ACLではまた違った輝きを放っています。予選リーグでは大邱FC以外との地力の差がちょっとあったのですが、大邱FCとの試合では外国人選手の活躍が目立ちました。

 

これはフロンターレに限ったことではなく、ACLはそういうものだと思います。過去を振り返っても強力な外国人選手が力を見せつけましたし、今年も他チーム含めそうなっていると思います。ダミアン選手やジェジエウ選手、シミッチ選手といった、Jリーグでは規格外ともいえるレベルの選手がACLで優勝するには必要です。フロンターレのフロントは、そこを見越して元セレソンロンドンオリンピック得点王を連れてきたのでしょう。

 

一方、ここからの課題もありました。やっぱりシミッチ選手が徹底的に消されると、相手を動かすパスが少なくなってしまいます。初戦もこの試合も、シミッチ選手は消され、そのわきのスペースは徹底的に狙われました。シミッチ選手らしからぬパスミスが目立ったのは、そういう厳しいチェックによるものだと思います。Jリーグではかわすことができても、ACLでは難しかったですね。苦しくて2ボランチにすると、今度は前線でプレスをかけられず、相手に押し込まれる形になってしまいました。やっぱりシミッチ選手に次ぐ、、アイデアを持ったアンカーが必要です。

 

そこで期待したいのは橘田選手。急成長とともに、その豊富な運動量やバチバチボールを刈りにいくところは、アンカー向きでは?あとはピッチを俯瞰して相手が嫌がるところに見方を導くパスを出すことができるか。でも、大いに期待できると思います。個人的には予選リーグ最終戦は、橘田選手のアンカーを見たい!

 

昨年のシーズンオフからこの夏にかけて、幾人もの主力が引退したり海外に移籍したりしているフロンターレ。予選リーグ最終戦では現有戦力が、私たちの不安を払しょくするような活躍とチーム力を魅せてくれると期待しています。