強度全盛の中、技術で魅せた俺達の14番(フロンターレvsヴィッセル神戸)


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0-1。10人での戦い且つ最少失点での敗戦と考えれば「惜敗」と言えるのかもしれませんが、実際には自分達の狙いをほぼ遂行できなかったという点で「惨敗」と評価して差し支えないと思います。これでホーム等々力で2連敗。選手にとってもサポーターにとってもストレスのたまるシーズンです。感想を残しておきたいと思います。

 

まず、半端ない大迫選手に触れないわけにはいかないですね。もはや最前線に司令塔がいるみたいでした。ボールに触っては「ほら、こっちが空いてるぞ!」とばかりに味方に振る。そして自分はもう一度ゴール前に入り込む。フリーキックもあんなの蹴られたら、もうこれは本当に「半端ない」。前半は目の前でやられ続けました。敵ながら本当にお見事でした!

 

次にフロンターレの選手について。はじめに大南選手です。くやしいレッドカードになりましたが、試合開始からずっと右サイドはパトリッキ選手のスピードにやられ続けていました。神戸からするとやり続けていたらいつかこうなる、という読みがあったのかもしれません。それでもどうにかこうにか抑え続けてはきたのですが、決壊。直接には大南選手が手をかけて倒したことになりますが、そもそも右サイドは破綻ギリギリでした。

 

大南選手については、CBとしてはスピードがある方だと思います。そして恐らく、日本代表に再選出されるために、W杯に出場するためにフロンターレに来たのだと思います。ジェジエウ選手、車屋選手とCB陣がケガで離脱し、加入早々からフル稼働ですが、是非ともこの(ひどい)状況をチャンスと捉え、経験と成長につなげてほしい。SBとしても力を発揮しているので、代表に選ばれて欲しいと思います。

 

フロンターレについては、脇坂選手と瀬古選手の猛烈な働きもすごかった。10人になり「これは虐殺ショーだ・・・」と思っていた私の予想を裏切った大きな要因はこの2人のミスの少なさだと思います。2人ともずっと全力で走りながらのプレーを余儀なくされたにもかかわらず、早い判断とテクニック、そして運動量を保ち、10人で押し込む展開を作り出しました。特に脇坂選手のボールキープは圧巻で、3人に囲まれたところから連続ダブルタッチで抜け出すなど、テクニックを見せつけてくれました。

 

私は、今のJリーグのトレンドは「強度」だと思っています。攻守の切り替えの速さ、ボールホルダーへの距離詰めと圧力、ボールを持ったら人数をかけて前へ、など。思えば鬼木監督になってフロンターレがタイトルを獲得できたのは、他チームより少し先んじてこれらに取り組んだからでした。そういう意味ではプレー強度で先行していたフロンターレが、他チームに強度で劣れば勝てないのは当たり前ですね。

 

もちろん強度万歳ではあるのですが、もう一度脇坂選手に戻ると、昨日はそんな中で見せつけたテクニックですよ!テクニックを凌駕する強度に対し、強度を凌駕するテクニックで対抗しているかのような姿は、「これが今の俺達の14番!」とサポーターに思わせたのではないでしょうか。であれば、かつて私達が14番を日本代表でWカップに出場して欲しいと思い、14番にタイトルを取らせたいと熱望したように、私は今のチームを牽引する14番がW杯に出場し、フロンターレにタイトルをもたらすことを渇望するのです。

 

昨日の敗戦でリーグ戦は事実上の終戦。もちろん可能性はあるし、選手達はあきらめていないでしょうが、正直リーグタイトルを狙っていますと言い続けるのはつらい状況です。ただ、天皇杯とACLはまだ残っています。未だ最大出力が見えませんが、14番のさらなる成長と共にフロンターレを応援していきたいと思います。