あきらめずにチームを構築してきたことがタイトル獲得の要因(天皇杯決勝 フロンターレvs柏レイソル)

f:id:cleanfuture_big:20231211172023j:image
天皇杯、獲得しました!!!

 

2023シーズンのフロンターレは大きく出遅れ、ルヴァンカップは1次リーグで敗退、リーグ戦も早々に優勝戦線から脱落。残されたタイトルの可能性はこの天皇杯でした。振り返ると2回戦から決勝戦まで、1つも簡単な試合はなかった。だけどしぶとく勝ち上がり、決勝もこの一年間の集大成のような苦しい内容をPK戦で優勝。日本一となりました!

 

トーナメントは勝つことがすべてではありますが、内容については反省が多かったです。気になったことを書いておきます。


まず、試合の入り方。ふわっと、の前に緊張している様子が感じられました。思えば前回タイトル獲得した2021や前回のトーナメント決勝・2020シーズンの天皇杯スタメンでこの日スタメンだったのは半分くらいですよね。その他の選手はこういう場はほぼ初めて。そういう選手達に緊張するなというほうが無理ですね。


一方、柏は猛然とプレスをかけてくるスタイルを試合中やり通しました。フロンターレはこれをいなすことができずあっぷあっぷ。2人のFWがプレスに来た時に後ろの4-4ラインはついて来てないように感じたのですが、識者の方々いかがでしたか?FWの後ろのスペースでボールを受けたら展開できそうだったけど、それも緊張で見えなくなるのかもしれません。こういう場数を踏むことでメンバーにはさらに成長して欲しいと思います。

 

攻撃面ではとにかくボールをキープできませんでした。基本的には柏のプレスに対してはロングボールで逃げていたけど、ダミアン選手に渡らなかったり、セカンドボールを拾われたり。そしてずっと攻撃され続けてるという印象。マルシーニョ選手がいたらアバウトに蹴っても陣地回復できるのにな、と思いました。


というのも、柏の攻撃がまさにこれだったからです。柏は基本的にFWの快足と身体の強さを生かした攻撃だったと思います。アバウトなボールでもマイボールにできる強さとうまさは、さすが!でした。ただ、柏の問題点はこれしかないという点だったと思います。「こんなに強い柏がどうしてこの順位?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それは一本調子だからだと思います。攻撃バリエーションが少ない、ということ。逆に言えば、選手の補強も含め、バリエーションを増やせば柏は絶対強くなると思います。

 

柏の一本調子にも助けられ、守備で辛抱し続けたと言える120分ですが、相手の決定機を止めまくったソンリョン選手に対し、最後にご褒美がきました。PK戦だけ切る取ると柏のGKは数本止めてますが、ソンリョン選手は最後の1本だけ。でもそれが値千金のPKストップでした。柏のGKのほうが反応が良かったという意見もありますが、先述したようにPK戦だけ切り取るとこれだけであって、ソンリョン選手は120分間シュートを止めまくっています。大舞台でも基本技術が冴えわたっていたと思います。

 

勝戦に関しては以上のとりとめもない感想となりますが、天皇杯を獲得できた理由のもうひとつは、シーズン後半にかけてチームの熟成が進んだことがあると思います(満足なレベルに達したかは別にして)。もっと早い時期から天皇杯が始まってたら…と思うと、きっと早々に敗退していたかもしれません。これはACL予選も同じですね。天皇杯とACL予選に関しては、フロンターレにとっては日程面で良かったかもしれません。

 

タイトルを取ったことに価値がある一方、このタイトルは2023フロンターレが獲得したものであり、2024に引き継がれるものではありません。翌日にダミアン選手とシミッチ選手の契約満了が発表されましたが、このタイトルは彼らと共に獲得したものです。苦しい一年間を諦めずにやり通したことで、選手とチームがどう成長したか、それを2024に示さなければ意味がありません。かつて在籍した阿部選手の言葉「何か一つ取りましょう!」をあらためて噛みしめ、兜の緒を締めなおし、2024フロンターレの成長に期待したいと思います。

f:id:cleanfuture_big:20231211172132j:image